世界鉄鋼業界再編

世界鉄鋼業界で新たな業界1位が誕生するらしい。現在世界2位のアルセロール(ルクセンブルク)とロシア鉄鋼最大手のセベルスターリが合併して設立される新会社が現在世界1位のミタルスチール(オランダ)を抜いて売上高・生産高とも業界首位になる。詳しい合併内容は、アルセロールが€120億でセベルスターリを買収して新会社の70%弱を獲得する形になるみたい。
まあここにいたるまでには色々と問題があったけどね。と、言ってもドでかいのが一つだけなんだけど(笑)。実はミタルスチールがアルセロールに対して敵対的買収を強引に推し進めていた背景があって、先週くらいにミタルも業を煮やしてかアルセロールに対して30%以上も買収額を上乗せしたためアルセロール株主がミタルのTOBに心が揺らぎ始めたらしく内部ボードにも合併支持を謳う妥協者がチラホラし始め、アルセロールは必至になって自社株買いを進めてきたけど"もうこれはヤヴァイ"と判断した・・・と思う(笑)。で、そのミタルの新案に対して臨時株主総会が開かれたわけだけど、結局は買収案拒否の姿勢は揺るがなかった。まあアルセロールは買収額全額を現金で支払ってくれって言ってるのにミタルの新買収案では金額は大きくなったものの相変わらず70%くらいが株式交換だから受け入れられないのは当然だろうけど。確かに六本木ヒルズ森タワー38階の某IT企業と同じように株式交換の比率が大きい買収案はキケンそのものだからね(笑)。
長々と書いたけど、最終的にはアルセロールはミタルに買収を諦めさせるために以前から自動車鋼板などの生産でジョイントベンチャーを設立したりして提携してきたセベルスターリを"友好に"買収することにした、ってこと。まあルクセンブルク金融当局が裏で手引きしてたとかミタル内部の買収反対者がアルセロールに情報を流してたりアルセロール・セベルスターリ買収協議会議に出席していたとかグレーなウワサはいっぱいあるけどね(笑)。
でもどーせミタルが別の買収先を見つけてまた世界1位に返り咲くんだろうなぁ。まあ大企業なんてその沿革を辿ればそんな歴史の上に成り立ってるんだろう・・・たぶん。