みずほ証券に業務改善命令

みずほ証券の株式誤発注事件から2週間経って金融庁様が今日ようやくみずほ証券に対して業務改善命令を発動した。ちょうど先週くらいに東証に対して業務改善命令が出されていることを考えるとよっぽど慎重に細部にわたって調査が行われていたのかもしれない。金融庁様の発表を見てみると、今回の事件について東証にもっとも大きな責任があるとしているけど、それは行き過ぎじゃないかと思う。たしかに東証のシステム(富士通のシステムって言った方が正確かもしれないけど)には上場初日の制限値幅と注文値による注文取消に関するシステム不備が明らかで責任を問われるべきなのかもしれないけど、それはみずほ証券内部でのシステムで十分防止できたことだと思う。みずほ証券側のシステムには異常な数値の取引について警告が表示されるシステムがあって、今回の取引についても警告が表示されたらしい。で、その警告が簡単に解除されて取引情報が東証に送られて(ryってこと。警告された入力値に対して簡単に解除されてしまう警告表示のみである事もさることながら1万数千株しかないIPO株式に対して61万株もの売り注文が通過してしまうシステムの方がよっぽど大きい欠陥があり、かつ責任を問われるべきだと思う。まあ今日の金融庁様の発表からすると、
<1>担当者や上司が株式発注業務に精通していなかった
<2>誤発注が起きた場合の危機対応策が策定されていなかった
<3>警告表示が簡単に解除できるなどシステム設計管理が不十分
ってことが明言されてるからみずほ証券の責任も東証に比して決して小さいものではないという判断がなされたんだと思う。
ともあれ今の一連の流れを見ていると、みずほ証券の主張する"東証のシステムがしっかりしていれば誤発注後すぐに注文取消ができて損失も6億円程度に抑えることが出来た"的な意見が強く、みずほ証券東証に対して損害額の補償を要求することになるハズ・・・。
でも一番不信感が残ってるのは、みずほ証券が自社の誤発注の情報をスグに発表しなかった事だと思う。これについてはジェイコム株の主幹事になっていた各証券会社に大きく迷惑をかけたわけだし。特に2chで消去法で選ばれて犯人扱いされた楽天証券にはね(笑)。株式市場全体への影響を考えて業界の将来を考えれば、このみずほ証券の責任の方がシステムの不備なんかよりもずっとずっと大きいと思う。