米国電力業界再編の動き

12月になって米国の各大手電力会社が続々と買収合併を行い電力業界の大掛かりな再編が進んでいる。なんでこんな時期に?って思ったけど、よく調べてみると12月になって電力業界の買収合併に関する規制が緩和されたかららしい。電力は国のインフラの中でも根幹を成す業界だから今まではこの慢性的な原油高の中でも規制が厳しかったのは当然だろうけど。これだけテロが懸念されてるから原発がコロコロと売買されるような状況は考えられないし(笑)。まあいくら規制緩和されたからって原発が意味不明な会社の手に渡るようなことは無いわけで、今回の各主要案件についてもSECやらFERCやらの結構厳しい審査を経て承認を受けたみたい。
有名どころを挙げると、FPLがCEを、EXERONがPSEGを、DEがCYNERGYを買収し、それぞれが1兆円を超える大規模なもの。各社のプレスとか見てみると、顧客拡大とか営業規模拡大とかが表向きには発表されてる。でも実際のトコどうなんだろ・・・。やっぱ原油高による利益率の低下や財務内容の悪化などが最大の要因だと思う。それに追加的に法人顧客の規模縮小やら省エネ志向やらが拍車をかけてる気がする。実はもっと前から合併へのアクションはあって、水面下でFERCなんかに対して強く働きかけてて、今月ようやく規制が緩和されて一気に再編が進んでるってのが現実だろうなぁ。
これを皮切りに、電力業界どころか石炭、天然ガス原子力などエネルギー産業全体で再編が進んでいくと思う。実際に水面下では日本企業も含めた大規模な合併・提携の話はよく聞くし。