金融審議会の動き

ちょうど先週くらいに金融審議会が立て続けにいくつかの報告書を発表したけど、その内容が珍しくなかなかよくできたものだった。大まかな概要としては21日に出された株式大量保有に関する情報開示、22日に出された投資サービス法の骨子の2つ。21日の報告書によると、株式大量保有に関する情報開示では、1企業の株式の5%超を取得した機関投資家による情報開示の頻度を高めて現在の"3ヶ月"から"2週間"にすることのほか、TOB(株式公開買い付け)を仕掛けた側が買収防衛策を発動された場合に撤回できるようにするらしい。また22日の報告書では、株式・社債・外貨建て保険・新型ファンドなどにおいて元本割れの懸念がある商品を対象にリスクの事前説明など購入者の保護ルールを定めるだけでなく、その対象範囲をデリバティブ商品や変動型年金保険などの新しい金融商品にも広げるようにまとめられていた。
21日の報告書ってまさに今年のビジネス界の世相を反映してるよなぁ。まあでも旧体質を擁護するような意見じゃなくて、これまでグレーゾーンだった部分を明らかにして株式取得に関するルールを明確化することでより公正な取引を目的としたものだと思う。はっきりとしたルールを設けてその制度内で経済活動が行われて機能すれば、(妥当性に関する議論は別として)当該企業・団体には必ずプラスの要因となると思う。
22日の報告書にある「投資サービス法」は外見的には消費者保護のアリガタイ法規かもしれない。まあ確かにリスクの明文化は必要なものだけど、そんなことはフツーの投資家なら当たり前のことだと思ってるし金融商品と扱う企業も当然のこととして見なしてるハズ。一部のブラックは除いて(笑)。そんなことよりも、投資サービス法によって消費者保護を謳ってこれまで非流動的だった家計資産を市場に引き込もうとするのが真意な気がする。