マイカルの復調

イオンのCMとか見てて「マイカルは会社更生手続きを終了しました」的なテロップが追加されてた事に気づいた人は結構多いと思う。12/31に東京地裁がイオン傘下で経営再建中のマイカルの会社更生手続き終結の決定を通知したから急遽追加されたらしい。まあずいぶん事前に知っててCM作成したって事もあり得るけど(笑)。でも少し調べてみるとマイカルの会社更生手続きってもともと2013年2月に終結する予定だったみたい。何故こんなにも早く更生手続きが終わったかというと、地方の不採算店舗を閉鎖するなどの大規模なリストラによって予想以上に業績が回復して2006年秋には5年ぶりに出店も計画してるくらいになったかららしい。
たしかマイカルって4,5年前に2兆円近い負債を公表して経営破綻して、当初は民事再生法を申請してたけどそこにイオンが再生支援を表明して結局は会社更生法で経営再建を進めてきたんだよなぁ。当時は"これだけ大規模な企業を再建するには10年どころか20年でも大変なこと"とか"イオンはマイカルを解体する"とかさんざん言われてたけど、実際に今振り返ってみるとイオンの戦略がかなり素晴らしかったと言うほか無い。ダイエーヨーカ堂とは比べ物にならないくらいのスピードでリストラ製作を推し進めて、イオンの持つ流通業ノウハウや独自のテナント導入方式を積極的に利用する一方で高品質・低価格を両立する商品を実現したり効果的な広告戦略をしたりと、実にスタンダードなことだけれども効果はバツグン(ポ○モンじゃないけどw)だったように思える。その結果、2000億円程度あった総弁済額も逓増的に返済していき、2005年12月に弁済残額500億円を一括で弁済したとさ。なんか戦略論の教科書みたいなお話(笑)。
日本の今の流通(小売)業界を見てみると、ダイエーヨーカ堂組とイオン・西友組とに分かれるような気がする。やっぱ旧体制にとらわれずに短期間かつ大規模に中枢から末端まで組織全体を変革した企業がよい業績を実現してると思う。