高まるバブルへの懸念

去年の後半あたりから続伸する株価に対して日本経済界の復調を喜ぶ声と共にバブル景気の再来と懸念する声もよく聞かれるようになってる。たしかに今の日本経済は復調の兆しがあるのは間違いない。でも日経平均の伸びはそれよりもはるかに上回る増加率であって、まさに実態を伴っていない"バブル高"と言っていいと思う。いよいよ明日から取引が開始されるわけだけど、去年の年末に年末休暇のサラリーマンらによって市場が一気に加熱したようにまたおそらく日経平均は大きく伸びるだろう。まあ各証券会社による様々な形態の投資商品や行政による投資における消費者保護を謳う「投資サービス法」の検討など官民の姿勢も相まってマーケットに家計の余剰資産が流入する動きは復調の兆しを見せる日本経済にはいい追い風となるかもしれないけど、やはり経済実態を伴わない異常景気には常に警戒しておく必要があると思う。
まあそれを裏付けるように、日銀は銀行など金融機関による不動産向け融資の監視を強化し、年明けから考査を通じて金融機関に融資状況や融資先の財務内容の提出を本格的に求め、融資が過剰なら残高圧縮や金利引き上げなど改善を要求するらしい。特にバブル景気の火付け役となった不動産業について調べてみると、ゼロ金利政策が続いていることのあり金融機関などによる不動産業向け新規融資は7―9月期に前年同期比で44%増え1987年以来の高い伸びを示していて、これが将来のバブル景気の要因となることを強く警戒して日銀は約15年ぶりに過剰融資抑制への方針の転換を行うと思う。でも個人的にはゼロ金利があまりにも長く続き過ぎていることにも原因があるとも思えるけど。まあ現在の経済成長の段階は「異常に悪い状態⇒正常な状態」という移行の段階でしかないとすれば、折角慢性的な長期デフレ経済の脱却を達成できそうな状況をわざわざ水泡に帰すこともないとも考えられるかもしれない。
どーでもいい話だけど、証券業界に長年伝わる「えと」の格言によると、とり年の昨年は「市場が騒ぎ」、いぬ年の今年は「市場が笑う」ということでいぬ年の2006年は市場が笑うほど株価が上昇する・・・らしい。実際に新光証券が1949−2005年のえとごとの年間株価騰落率を調べたところ、いぬ年は平均10・6%上昇し、い年、ね年は上げ幅が拡大する傾向が出ていたとか。まあ占いみたいなものだね(笑)。